商談の前日、毎回同じことをやっていました。
前回の議事録を探して、どこまで話が進んでいたか確認して、相手の会社の近況を検索して、今回どこから始めるかをメモにまとめる。30分か1時間か、案件によってはもっとかかります。この繰り返しをずっと当たり前だと思っていた。
でも冷静に見ると、これは毎回同じ構造の作業です。対象は違っても、やることは変わらない。「AIに任せる」という選択肢が出てきたのは、ある時期に自分の工数を書き出してみたからです。
準備にかかる時間の正体
下調べで何をやっているかを分解すると、こんな流れになります。
前回議事録・メモを見つける
↓ 話した内容・決まったこと・積み残しを拾う
相手先の直近の動きを調べる
↓ 公式発信・変化・最近の状況を確認
今回の商談で何から話すかを整理する
この流れ、自分が毎回手でやるには惜しい。情報を集めて整理するだけで、判断は最後の「何から話すか」だけです。集める作業と並べる作業だけなら、AIのほうが速い。
AIにどう頼んだか
私がやったのは、この準備フローをそのまま日本語で渡すことです。
商談の前に、以下の情報をまとめてほしい。
- 前回までの話の流れ(何が決まって、何が持ち越しになっているか)
- 相手先の直近の公式発信や状況(変化していそうな点)
- 今回の商談でどこから入ると自然か、簡単な整理
資料は共有フォルダにあるメモと議事録、相手先の公式情報から取ってきて。フォーマットはA4一枚に収まる量で。商談の30分前には手元にある状態にしたい。
「どの情報をどこから」「どの形で」「いつまでに」の3点を入れるだけで、動くものが返ってきます。
頼むときに技術用語は一切使いませんでした。自分が手でやっていた作業の言葉で渡した、それだけです。
変わったこと
準備が自動になってから、当日の商談の入り方が変わりました。
以前は「えーと、前回は確か……」から始まることがあった。自分で下調べしているはずなのに、頭に入っていない。資料を作ることに時間を使い切って、内容を咀嚼する余裕がなかったからです。
今は前日夜に整理済みのサマリが上がってくるので、朝に5分読むだけで頭に入ります。資料を探す時間がゼロになったぶん、「今日はどこを着地にするか」だけを考えられる。
小さい変化ですが、商談の質感はけっこう変わりました。
向いている状況、向いていない状況
この仕組みが効くのは、案件数が増えてきたタイミングです。1件2件なら手でやっても大して変わらない。5件10件になってくると、下調べの総量が地味に重くなります。
一方、相手との関係がすごく長くて自分の頭の中で整理できている案件では、正直あまり違いを感じません。記憶が追いつかなくなったときに初めて効く、という感じです。
情報を集めてきた後の「どう話すか」の判断は、今も自分でやっています。ここは任せない方がいい。準備の手間を省くのと、判断を省くのは別の話です。
仕組みの概要
構造は単純です。共有フォルダにある過去の議事録やメモを情報源にして、相手先の公式発信と合わせて、指定のフォーマットに整形して届ける。この一本の流れを、AIに設定しておくだけ。
導入に必要なものも大げさではありません。
- 過去の商談メモや議事録が、どこか一箇所にまとまっていること(バラバラに散っていると難しい)
- 相手先の情報を取りに行ける経路(公式サイト・発信媒体など)
- 整理した結果を受け取る場所(メール・チャット・共有ドキュメントなど)
既に使っているツールの中に大抵あるので、新しく何かを契約する必要はほぼありません。
