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メール・ドメイン

会社名が変わったのに、メールの送り主が旧社名のまま

複数ドメイン運用でエイリアス設定を間違えると起きること

2025-04-13

会社名が変わったのに、メールの送り主が旧社名のまま

会社名が変わった。新しいドメインも取得した。M365に登録して、全員のアカウントに新ドメインのメールアドレスを追加した。これで新しいアドレスからメールが送れる。

そう思っていたら、取引先から「さっきのメール、旧社名のアドレスから来てましたけど」と言われた。


エイリアス追加後の送信元の扱い

これは仕様どおりの動作です。M365(Microsoft 365)でセカンダリドメインのアドレスを追加した場合、デフォルトではそのアドレスは「受信専用」になります。

送信元のFromには、プライマリドメインのアドレスが使われます。エイリアスを10個追加しても、設定が1つ欠けたままだと、送信時に表示されるのはずっと旧アドレスです。


送信元を変えるために必要な設定

受信と送信は別の話です。送信元をエイリアスに変えるには、組織の設定を1つ追加する必要があります。

AIにこう頼んで確認しました。

M365でセカンダリドメインのメールアドレスをエイリアスにするとき、送信元のFromをそのアドレスにするにはどうすればいい?

返ってきた答えは「SendFromAliasEnabled という組織設定を有効にしてください」でした。

この設定が無効のままだと、ユーザーがOutlookの差出人欄でエイリアスを選ぼうとしても、選択肢に出てこないか、選んでも送信後にプライマリに上書きされます。

ただ、注意点が一つあります。この設定が効くのは「新しいOutlook」と「Outlook on the web」です。以前から使っている旧来のデスクトップ版Outlookでは反映されないケースがあります。また、設定後に反映されるまで最大24時間かかることもあります。社内に「変えたのに変わらない」という声が出たら、まずこの2点を確認してください。


Google Workspaceのセカンダリ有効化時の注意

M365の話をしましたが、Google Workspaceも同じ落とし穴があります。

セカンダリドメインでGmailを有効化するとき、管理コンソールに「すべてのユーザーのメールアドレスとエイリアスを指定します」という表示が出ます。これを見て「自動的に全員のアカウントにエイリアスが追加されるんだ」と思った方もいると思います。

確かにそうなる場合があります。でも、そのエイリアスが「送信元に使えるのか」は別の話で、詳細な設定は管理コンソールのユーザー管理側で確認が必要です。有効化ボタンを押す前に、既存ユーザーのアカウントに何が起きるかを確認しておかないと、意図せず送信元が変わることもあります。


会社名変更のドメイン移行で踏んだ手順

実際に依頼を受けたのは「会社名が変わるので旧ドメインと新ドメインで両方メールを使いたい」というケースでした。これはよくある依頼です。

ざっくりいうと、段階を踏まないとトラブルになります。

まず新ドメインをM365に追加してDNS設定を通す。SPF、DKIM、DMARCをセットで設定しないと、新ドメインから送ったメールが相手の迷惑メールフォルダに落ちます。新しいドメインはまだ「怪しいドメイン」として扱われやすいので、ここは手を抜かないほうがいいです。

DNS設定が通ったら、組織設定でエイリアス送信を有効にして、全ユーザーに新ドメインのアドレスを追加します。この状態で3〜6ヶ月ほど並行運用します。この期間、社外向けの送信は徐々に新ドメインに切り替えてもらいながら、取引先への周知と社内システムのメール通知設定を更新します。

並行運用が終わったら、プライマリを新ドメインに切り替えます。旧ドメインはエイリアスとして1年ほど残しておくと安心です。

旧ドメインのDNS設定は消さないでください。ドメイン自体も手放さないほうがいいです。第三者に取得されると、そのドメインを使ったなりすましメールが飛んでくる可能性があります。廃止する場合もドメインは押さえておくのが無難です。


返信がプライマリアドレスから来る問題

もう一つ、現場で気づきにくいトラブルがあります。

エイリアス宛に届いたメールに返信すると、送信元がプライマリアドレスに戻る、というケースです。「新アドレス宛に来たメールに返信したのに、相手には旧アドレスから届く」という状態です。

先述の SendFromAliasEnabled を有効にしていれば、本来はエイリアス宛のメールに返信するときにそのエイリアスが使われます。でも、旧来のOutlookが混在している環境では完全には動かないことがあります。

移行期間中は、ユーザー全員に「送信元を必ず確認してから送ってください」と周知しておくほうが安全です。設定で制御しきれない部分があるからです。


整理すると

エイリアスを追加するだけでは、送信元は変わりません。M365ならば組織設定の変更が必要で、旧来のOutlookでは効かない場合があります。Google Workspaceはセカンダリ有効化の前にエイリアスの挙動を確認してから進めたほうがいいです。

ドメインが増えるときほど、メールの設定は「追加した」で終わらず「送信できているか」「返信元はどうなっているか」を確認する必要があります。

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