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インフラ・セキュリティ

引き継いだIT環境の霧を晴らす3点棚卸し

ドメイン・サーバ・サイトを整理すれば全体像が見える

2026-06-21

引き継いだIT環境の霧を晴らす3点棚卸し

英会話スクールを引き継いだ方から、こんな相談が来ました。

「毎月費用が発生しているサービスが複数あるんですが、何のためにお金を払っているのか正直わかっていないんです。ドメインもどこで管理されているか把握できていなくて、更新が止まったら困ると思っています。」

前の運営者が使っていたサービスをそのまま引き受けた状態です。Google Workspace が2アカウント分、Cloudflare、Cloudways、WordPress。ただ、ホームページ自体はすでにCanvaで作り直して動かしている。古い構成が残ったまま、何かが毎月動いていて、どこで何が起きているか霧がかかっている。

これ、事業継承の現場でよく見る状態です。


霧の正体

混乱しているように見えて、実は3つに整理できます。

1つ目はドメイン管理。「.com」「.jp」などのアドレスをどこで買って、誰が更新するか。Cloudflareのようなサービスを経由している場合、更新の手続きはそこで行う必要があります。ここを把握していないと、ある日突然ドメインが失効して、サイトもメールも止まります。

2つ目はサーバ(ホスティング)。ホームページのデータをどこに置いているか。Cloudways はサーバを借りるサービスで、WordPress はその上で動くソフトウェアです。今はCanvaのサイトを使っているなら、Cloudways + WordPress は実際には誰も見ていないサイトを動かし続けている可能性があります。毎月お金だけ出ていく。

3つ目はメール・業務ツール。Google Workspace は会社のメール(〇〇@英会話スクールのドメイン)を使うための仕組みです。2アカウントあるなら、前の運営者と今の運営者が1つずつ使うつもりだったのかもしれないし、あるいは誰かが使わないまま残っている可能性もある。ここもログインして確認しないと分かりません。

この3つをひとつずつ照らし合わせると、「どこに何があって、どれが今使われているか」が見えてきます。


棚卸しでやること

私がこういう依頼を受けたとき、まず依頼者にこう伝えます。

現状分析のために、次の3つの環境を確認させてください。

  • グループウェア(契約プランと、管理画面の閲覧権限)
  • ドメイン・DNSの管理サービス(対象ドメインと、閲覧権限)
  • サーバのホスティングサービス(どのサイトが何台のサーバに載っているか)

いずれも、こちらのアカウントを閲覧できる権限で招待いただければ十分です。これが揃えば、どれが今必要でどれが不要か、2週間以内に一枚のレポートにまとめます。

重要なのは、ただ「何があるか」を並べるのではなく、「今使われているかどうか」を判断することです。サイトをCanvaに移行済みなら、古いWordPressサーバへのアクセスは実質ゼロのはず。それでも毎月課金されているなら、そこを止めるだけでコストが減ります。

ドメインは別の話です。Canvaのサイトに独自ドメイン(〇〇.com)を使っているなら、ドメインの更新は絶対に止められない。ここだけは把握から管理体制まで整える必要があります。使っていないサーバと、絶対に落とせないドメインを混同しないこと。それが棚卸しで最初に確認することです。


AIにどう頼んだか

この依頼では、依頼者に送る提案メッセージの文面を、AIに作ってもらいました。

英会話スクールの事業継承をした方から、「どのサービスで何をしているか分からない、毎月費用がかかっているがどうすべきか決めたい」という依頼がある。提案書ではなくメッセージ形式で、調査の内容・成果物・期間・費用をまとめた文面を作ってほしい。時間の記載は不要、改善提案書は作らない、現状分析レポートにまとめる、着手から2週間で納品、お客様から提供が必要な情報も項目に入れる。

最初に入れた金額は、作業量に照らすと合っていませんでした。そこは自分で見直して直しています。金額の感覚は依頼内容と突き合わせて判断する部分なので、AIが出したままにはしません。

文面の構成を考えたり、必要な情報の漏れを拾ったりするのはAIが速い。金額の妥当性判断は人間がやる。そういう使い分けです。


棚卸しが終わると何が変わるか

「どこで何が動いているか」が整理されると、判断できるようになります。

Cloudways を止めるかどうか。Google Workspace の2アカウントを1つにまとめるか。ドメインの更新を誰が担当するか設定する。これらは、現状が見えていなければ判断のしようがない。逆に言えば、棚卸しさえすれば、そのあとは比較的シンプルです。

この相談を受けるたびに思うのは、IT環境が「わからない」のは能力の問題じゃなく、情報が整理されていないだけだということです。前の運営者が引き継ぎ資料を作らなかった、自分が作ったわけじゃないサービスを渡された。それは仕方がない。ただ、棚卸しをしない限り、毎月のコストと失効リスクはずっと残ります。

「うちも何が動いているか把握できていないかもしれない」と気づいたタイミングが、棚卸しの一番いい時期です。

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