受注管理の画面を見れば在庫はある。在庫管理の画面を見れば受注は分かる。なのに2つが繋がっていないから、毎日誰かが片方を開いてもう片方に手で打ち込む。
「受注システムと在庫システムを連携させたいんですが、そもそもできるのか分からなくて」という相談があります。どこから手をつければいいか分からず、止まっている。答えは単純で、まず片方ずつAPIがあるか調べる。両方あればつなぐ、片方しかなければ代替手段を考える、両方なければCSV経由の半自動を検討する、という順番で判断が決まります。
API有無の確認
あるECの事業者と一緒にこれをやったことがあります。受注管理側のシステムはAPIが公開されていました。開発者向けのドキュメントが用意されていて、認証情報を取得すれば出荷データをプログラムで取り出せる。
AIにこう聞きました。
このシステムの開発者向けページにAPIのドキュメントがある。出荷データをCSVでダウンロードするにはどういう手順になるか。GASとPythonのどちらで動かすのがいいか、それぞれの制限も教えてほしい
受注管理側はAPIありで問題なし。問題は在庫側でした。
在庫管理に使っていたサービスのほうは、公開APIが見当たらない。サポートサイトを確認してもAPIドキュメントへのリンクがなく、公開情報を探しても明確なAPI仕様は出てきませんでした。確実なところはサポートに「APIで連携できますか」と問い合わせて確認する、という話になりました。
片方にAPIがない場合
在庫側にAPIがないと分かった時点で、選択肢は3つに絞られました。
CSVと手動アップロードの組み合わせ: 受注側からデータを取得してCSVに変換し、在庫側に手動でアップロードする。完全自動にはなりませんが、受注データを探してまとめる手間はなくなります。
ノーコードツールで通知まで自動化: 受注側のAPIでデータを取得してCSVをクラウドストレージに置き、担当者にファイルの準備ができたと通知する。あとは担当者がアップロードするだけなので、手で探す作業がなくなります。
RPA(ブラウザ操作の自動化): 在庫管理の管理画面でのアップロード操作そのものを自動化する。技術的なハードルが上がるので最後の手段です。
このECの事業者の場合は、まずCSV出力+通知で動かしてみるという判断になりました。完全自動ではないですが、毎日の転記作業がなくなるだけで十分だったからです。
APIの調べ方
システムの「開発者向け」「API」「インテグレーション」といった案内ページを探す。なければサポートに「APIで連携できますか」と1行聞く。たいていどちらかで答えが出ます。
システム名と「API 連携 ドキュメント」でそのまま検索するのも早い。開発者向けのドキュメントページがヒットすればAPIあり。サポートページしか出てこないなら、APIなしを疑っていい。
AIを使うなら、最初からこう頼むとまとめて整理できます。
○○というシステムとXXというシステムを連携させたい。まずそれぞれにAPIがあるかどうかを調べる手順を教えてほしい。APIがなかった場合に使える代替手段も知りたい
連携の相談でよくあるパターンは、全体をAPIで繋ごうとして、片方がAPIなしと判明した時点で止まることです。先に両方の有無を確認しておくと、最初から現実的な選択肢で動けます。
GASとノーコードツールの選択
API有無が確認できたあと、どのツールで動かすかの話になります。
受注側のAPIからGoogleスプレッドシートに出荷データを取り込みたいなら、GASが向いています。定期実行の設定が管理画面からできて、スプレッドシートへの書き込みも簡単で、追加費用がかかりません。GASを触れる人がチームにいるなら、これが一番手がかかりません。
MAKEやn8nなどのノーコードツールは、コードを書かずに組める半面、複雑な変換処理が入るとブロックが増えて管理が重くなります。チームに誰もコードを触りたくない場合に向いています。ただ、受注管理側のAPIが癖のある認証方式だと、ノーコードツールの対応範囲を確認してから選ぶ必要があります。
確認する順番
「連携できるのか分からなくて」という状態は、まず両方のシステムについてAPIがあるか1件ずつ調べると、ほとんど解消します。
あれば繋げる。なければCSVと半自動の組み合わせで代替できないか検討する。それでも足りない範囲だけ、ツールを変えるか諦めるかを判断する。この順番でやると、ツール選びの話に入る前に方針が決まります。
